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就職活動が終わりました

はじめに

この日記は今年度の就職活動に失敗し、就職留年を決めた人の日記です。同じような境遇に立っている人たちに少しでも力になればと思い、自分の1年間の活動を記録しました。

就職活動をする前に

就職活動をする覚悟

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就職活動は「縁」です。受けてる会社との縁がよければ内定がもらえますし、縁がなければお祈りメールが届きます。この後なんやかんや話しますが最終的には自分を見た企業で働く10人くらいの人たちが「この人となら働いてもよいな」と思わせれば勝ちです。そこには能力面・性格面もありますが、雰囲気で落とすパターンも(きっと)あります。つまりとても盛り上がった面接でも、面接官が「こいつはなんか違う」と思われてしまえば落とされてしまいます。

その縁がよい人はすぐに内定がもらえます。内定を取り、就職活動から解放され、残りの楽しい学生生活を過ごすことでしょう。

その縁がない人は内定がもえらず、もがき苦しみます。内定を取った人を妬み、お祈りが来るたびに自分の性格・能力が否定されているような気分になります。そして最悪自分は社会から求められてないと感じ、自殺をしようとする就活生も少なくありません。しかしあなたが悪いわけではないです。あなたを認めてくれない社会が悪いのです(ぐらいの気持ちで)。

しかし辛い話、その程度で挫けてしまっては社会に出ても生きていけないでしょう。辛いよね。なので、就職活動は縁だと思ってください。運ゲーだと思ってください。落ちたら縁がなかった、運がなかったと思って次に進みましょう。そうしないと何十社も受ける精神が保ちません。

就職活動は長く、辛く、苦しい戦いです。その覚悟を持って就職活動をしましょう。

自己分析

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世の中では「自己分析をしよう」と偉そうに言っています。何をすればいいのかというと「自分を知る」ということから始めます。自分は何が好きか、何が得意か。それを踏まえてどの業界に行きたいのか、どういう仕事をして生計を立てたいのかと考えることがとても大事になってきます。そしてその仕事が本当にしたいのかどうかを何度も何度も自問自答してください。

例えば「僕は情報工学部にいるからプログラマ・SE・SIerになろう」と考えている人。本当にあなたはプログラムを書くことが好きですか?授業でプログラムを書くだけでなく、暇な時に新しい言語について学んだり、自分でプログラム組んだりするぐらい好きですか?そのぐらい好きでないと社会に出て、プログラマとして生きていけないでしょう。

例えば「ゲームが好きだからゲームクリエイターになろう」と考えている人。これもよく言われてますが 趣味と仕事は違います。ゲーム業界はコンシューマが死に絶え、どこもかしこも似たようなソーシャルゲームが生き残る時代。暗中模索しながら偶然売れるゲームを作るまで日々徹夜。…というのは言いすぎですが、そんな業界にそれでも行きたいですか?

まぁこれ全部私のことなんですが。そして全部失敗しましたが。

「好き」だけで仕事をしようと考えているのなら相当な覚悟と相当な「好き」がないと就職できません。なので最初は「自分がやりたい仕事」をとるのか「自分ができる仕事」をとるのかをよく考えましょう。自分の人生の大切なスタートです。なるべく自分のやりたい仕事をしましょう。そのための努力もできるだけ就職活動をする前にしておきましょう。

就活エージェントを利用しよう

就活エージェントを利用しましょう。

就活エージェントを利用する利点の1つ目は「自分に合った仕事を探すことができる」ということです。私が申し込んだ就活エージェントさんはまず電話でどのような業界を希望しているか、どのようなことができるかということを事前に聞いてきます。そしてその分野に合った企業を紹介してくれます。わざわざ大手就活サイトで調べる必要がないので便利です。

2つ目は「書類選考が楽」ということです。最近だとOpenESも流行ってきましたが、就活エージェントでも応募した企業はまずエージェントの方が書類を送ってくれます。なので基本的に自分は何もすることなく合否だけを聞いてうまくいけば面接からスタートできます。しかもエージェントの人が上手にやってくれて、たまに書類・一次選考も飛ばせるよ!みたいな企業もあるからとても便利。

3つ目は「面接で落ちた理由が聞ける」ということです。これがすごく大きい。就活エージェントが企業の人事の方とお話できるので落ちた時はなぜダメだったか、という理由を聞くことができます。そこから反省して、次に活かすチャンスができます。ただ、まだその辺りは厳しいのかアバウトな理由だったり、理不尽な理由が飛んできたりもしますが、それは仕方ない。

就活エージェントを利用することは決して恥ずかしいことではありません。もし自分の就職活動が心配、大手就活サイトだけでは大変だという方は是非利用してみてください。

履歴書・ES

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[Resume - Glasses by flazingo_photos]

さて、就職活動は履歴書から始まります。ただ履歴書で落とされたら「学歴フィルタ」だと思ってとっとと忘れてください。書類さえ通してもらえない企業に文句を言ったって仕方ない。しかし企業に読みさえしてもらえない履歴書を書かないように注意しましょう。

履歴書の選び方

市販で売られてるのならなんでもいいです。でも1回履歴書を買ったら綺麗にスキャンして、何度も印刷して利用できるようにしましょう。そうすればわざわざ履歴書を買わなくても済みます。最も便利なのは学校で作られている履歴書。学校のHPにpdfが落ちてたりします。どこの大学かも一目瞭然なので学歴フィルタもばっちり働くね!

履歴書の書き方

未だに高度経済成長期を生きたおじさんおばさんが「手書きで書いてください」と指示する企業もありますが、基本全部PC上で入力してよいと思います。手書きに時間かけるのはバカバカしいです。私はMacの「プレビュー」で編集してました。学歴なんかはすぐには変わらないので、履歴書の左半分は何度でも使えます。何度でも印刷できます。いつでも何枚か持っておくと、いざという時に便利です。

あとは企業に合わせて右半分の志望動機や長所を書いてください。ただ文章を書く時には論理的思考(ロジカルシンキングを大事にしてください。

簡単に言うと「結論 → 理由」の順に書くこと。まぁ本とかサイトとかあると思うので一読しておくとよいかもしれません。

そして書き終わったら必ず誰か他の人に読んでもらいましょう!!恥ずかしい履歴書ですが、人に読んでもらうことで誤字脱字とか文の構成とか気づくこともあります。あとは手渡しなり郵送なりメールなり所定の形式に従って送りましょう。くれぐれの失礼のないように。

ES・その他応募書類の書き方

履歴書と同じように書きましょう。Web記入のパターンは文字制限があるので、先に質問項目をメモしておき、じっくり編集・推敲して、その文をコピペして提出するようにしましょう。行き当たりばったりは(できないものを除いて)ダメ、ゼッタイ。

筆記試験・Webテスト

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筆記試験は会場にて1人で自分の能力を問われるので勉強するしかないのですが、Webテスト1人で解けとは言ってないので友達とシェアしながら解くとよいです。(ホントはダメです。)

筆記試験

がんばれ。筆記試験は自分の能力次第です。できなかったら自分の勉強不足です。これは入試と同じ。

Webテスト

用意するものは以下のものです。

  • 友達(なるべくたくさん)
  • 携帯のカメラ
  • 電卓
  • 筆記用具とメモ用紙

Webテストには大きく2パターンあります。

  • 一度解答を入力しても戻ってやり直せる問題
  • 一度解答入力したら二度と戻れない問題

前者の場合は問題の写真を撮って、それを友達に解かせればよいです。後者の場合はみんなで一緒に解けばよいです。ただWebテスト「速さ」よりも「正確さ」が大事になってくるので、適当な答えを書いて全問答えても仕方ないです。

Webテストの内容は日本語長文の正誤判定や図形の読み取りなどの問題が出るので、どんな問題が出るかは先輩からWebテスト(いわゆる「玉手箱」)の本をもらったりするとよいと思います。毎年同じような問題が出ているので買うのはもったいない。

【玉手箱対策用】必勝・就職試験! 8割が落とされる「Webテスト」完全突破法【1】2016年度版

【玉手箱対策用】必勝・就職試験! 8割が落とされる「Webテスト」完全突破法【1】2016年度版

SPI

会場型なので筆記用具とメモ用紙しかもらえません。私の行ったSPIセンターは、太めの水性マジックと小型のホワイトボードを渡されたので、書きにくいったらありゃしなかった。でも1回行くと、しばらくはその成績が他の企業のSPIにも使えるので、なるべくしっかり解きましょう。

性格診断テスト

心あるがままにやればいいです。どうせ企業ごとに必ずついてきますので、真剣にやってたら疲れます。ただ企業にマイナスになるような極端な答え方をしないように注意しましょう。例えば

  • 与えられた仕事に対して最後まで取り組む

みたいな質問に対して「全く当てはまらない」なんて答えちゃうと「こいつ仕事する気ないな」と思われてしまいます。せめて「どちらともいえない」ぐらいに抑えておきましょう。この辺りさえ注意しておけば問題無いし、そこまで落とされることはないと思います。ただ、この後に進むであろう面接は、この性格診断テストを参考にしているので、自分がちょっと歪めて決めた性格は面接の時に意識しておきましょう。

面接

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面接で大事なことは「大事なことを端的に伝える能力」です。これが履歴書の時にも話していた論理的思考(ロジカルシンキングです。質問に対してまずは結論を述べ、その後に短く理由を述べるようにしましょう。例えば「はい」か「いいえ」で答える質問に対して、理由からくどくど喋ってしまうと最悪です。

面接の前に

業界によっては聞かれる質問が予想できます。そこで質問されたらどう答えるかを一度文章にしておきましょう。ただ長々と文章を書いても面接で全て正確に喋れるわけないし、暗記した文章をただ喋っても面接官にとって面白味がないです。「こういう感じのことを喋るんだよ」ということを箇条書きなり、短い文章にするなりしてまとめておきましょう。ちなみ絶対聞かれるのが

  • 自己紹介(1分程度)
  • その企業を受けた理由
  • 長所・自己アピール
  • 自分から企業への質問

なのでこの辺りはしっかり押さえておきましょう。

あとは、その答えについて「なぜ」が説明できるようにしましょう。面接官は基本的に「なぜ?」と「それは違うと思うよ」としか言わない生き物です。「そうだね」と肯定してくれることはあまりないです。なので疑問、否定されたときに、自分の意見を持って議論できると大変よいです。議論する場であって口喧嘩する場なので注意しましょう。「なぜ?なぜ?」と何度も自問自答し、自分の答えを深く追求していきましょう。

グループディスカッション

私は2,3回しました。主にグループで取り上げられた問題について制限時間内に考え、まとめ、そして最後に発表するというものです。例えば、

  • ウチの会社と他の会社がコラボして商品を作りたいんだけど、どういうものだったら売れそう?
  • 世の中にはこういう問題があるけどウチの会社の技術を使えばどう解決できそう?

というのを聞かれます。

ただ題目がなんであれグループディスカッションは、仕切る人(リーダー)で全てが決まると言えるかもしれません。そう、役割分担です。グループディスカッションは主に以下の役割を最初に決めます。

  • リーダー(仕切り役・まとめ役)
  • 書記
  • タイムキーパー
  • 最後に面接官に発表する人

グループディスカッションなんでみんな必死です。自分の意見を何とか言って自分の意見が優秀であることを必死にアピールしなくてはいけません。最悪、相手の意見はやんわりと難点つけて蹴落とせば勝ちです。なのでリーダーがいつまでも自分の意見を曲げない人だったら諦めましょう。やるだけ時間のムダです。もし議論できそうなら議論してみましょう。

私はよくタイムキーパー兼まとめ役をやっていたので、逆にそうならないように自分の意見も主張しながらみんなの意見をとりまとめるように心がけました。そうすると大体通過できます。人の意見に耳を傾けること。当たり前のことですが、いつも以上に注意して取り組みましょう。

集団面接

個人面接の短い版だと思ってもらえればよいです。他の人がいることに特に意味はありません。同じ質問を全員にし、他人にプレッシャーを与えるだけの面接です。なので気をつけることとして、

  1. 他人の話は興味をもってそうな顔をして聞く
  2. 人と内容が被っていても自分の経験を交えて話し、オリジナリティを主張する
  3. 出来る限り端的に話す

の3つが大事になります。特に3は長々と話すと他の面接受けてる人にも印象悪いので、さらっと話すとよいでしょう。そこで面接官が首を突っ込んできたら詳しく話すだけでいいです。

個人面接の前に

多くの企業の流れとして

  • 一次面接:人事面接(ここがグループディスカッション・集団面接になることが多い)
  • 二次面接:部門面接(各部門の下っ端・リーダーで面接が分けられることも)
  • 最終面接:役員面接

になっています。なので問われることとして

  • 一次面接:基本的なコミュニケーション能力・論理的に話せる能力
  • 二次面接:技術的能力・その分野に関して部門の人と深く議論できる能力
  • 最終面接:最終確認(という名の役員から見た雰囲気決め)

となります。そして大事なのはこちらから質問内容を誘導することです。例えば、

私「研究室では〜(アバウト)について研究をしてきました。」

面接官「〜とはなんですか?」

私「〜とは…のことです。」

面接官「なぜそのような研究をされたのですか?」

と話が続くとしばらく研究分野の話になります。こうなればいつも研究の話をしている人にとっては得意なフィールドですよね。こんな感じで面接時間をなるべく自分の得意な分野の話に盛り込みましょう。ただ、面接官から突拍子もない質問が飛んでくることもあるのでそこは事前に準備しておきましょう。たとえ準備してない質問が飛んできても、その分野のことに関しては何かしらの知識なり、経験なり持っているハズなので、それを交えながら説明するとよいと思います。どうしても何も思い浮かばないときは

「それはわかりません。ただ私が思うのは〜」

とわからないことはわからないと言います。そしてその後に何とかその質問については一生懸命考えているよということをアピールしてください。てかそこが勝負。

偉そうな面接官は教授だと思ってください。そう、あなたは今怖い教授とミーティングをしています。自分の意見に教授は「なぜそう思うの?」「僕は違うと思うけどどう思う?」と言っていますが、大したことは言っていません。ただあなたと議論を交わしたいだけなのです。あなたの言った意見が合っているとか間違っているとかではありません。あなたはどう考えているのか、なぜそう考えているかを知りたいだけなのです。なので怖気づかずに自分の意見をはっきりと主張しましょう。

企業によっては斜視であったり、吃音であったりするだけで落とすケースもあるみたいです。直せない生まれつきの癖や症状は誰だってあると思います。その場合は最初に面接官に言っておくことをオススメします。ちなみに私はあまり大したことではないのですが、汗っかきなのでいつもタオルを持っていることを最初に言ってました。

一次面接

一次面接はちゃんと人事と会話ができれば大体が通過できます。もし人事の反応が悪かったり、一次面接で通過できなければ、もう一度自分のコミュニケーション能力を見直してみましょう。偉い人、年上の人と会話するときに自分の話し方、態度に悪い癖がないかどうか聞いてみるとよいと思います。

二次面接

ここが最大の難問です。私はここが全然突破できませんでした。

はっきり言って圧迫感がすごいです。その重厚にまず負けそうになります。社会の荒波に揉まれ、生き残っている人たち。勝つ負けるの話ではないんですが、正直勝てる気がしないです。その人たちが偉そうに自分の意見を言うと、あたかもそれが正しいことであり、それが全てのように聞こえてしまう恐ろしさがあります。ただ、それで負けたらおしまいです。

とにかく言えることとして、ここでも面接官はしつこく「なぜ」を突いてきます。物事をなるべく深く考え、意見できることが大事だと思います。完璧なことを言えなくても、自分の考え、その理由をはっきり話しましょう。その時にも慌てず論理的思考を大事にしましょう。

先程も言ったように意見の正誤よりも、意見に対する理由が一貫しているかというところを見ていると思います。あとはここらへんから企業研究もしっかりしておくとよいと思います。

最終面接

最終面接はさらにお偉い人が出てくるので緊張します。企業によっては最終選考の方がもっと深くいろんなことを聞かれるところもあるみたいですが、大体が最終確認みたいなものです。

  • 「こういう仕事もあるけどできる?」
  • 「これからこの会社をどうしていきたい?そのために自分はどうする?」

などの仕事に関する質問が多く飛んできます。なので自分がその会社に入ったらどうするか、5年後10年後はどうするかをイメージおくとよいです。もしそれでもうまくいかなかったら、役員が雰囲気で「こいつはなんとなくこの会社に入れられないな」と思ったなぐらいで諦めてください。

おわりに

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[Delegation Checklist by Matthew Crisp]

ここまで書きましたが、どれも100点満点の正解ではないので注意してください。私がこうやると上手くいったよという例なので、業界・企業によっては全然見方が異なる場合があります。特に面接に関しては十人十色な気がします。

  • 会話が弾まない → お祈り
  • 会話が弾む → お祈り

どちらもあります。本当に意味がわからない。そして理由がわからない。運ゲー最悪です。

最後に私は今年度の就活を終え、就活留年として来年度も就活します。世の中にはそんな人たちがうじゃうじゃいます。決して世の中内定取っている人しかいないわけじゃないです。自慢ではないですが「優秀なのになんで内定取れないの…!?」と人によく言われます。そんな人でも落ちます。けれども

  • 就職できないことは決して悪いことではない
  • 就活留年することは決して悪いことではない

です。人生の大事な大事なスタートです。ゆっくり考え、ゆっくり決めていきましょう。